職業柄、相⼿を説得することが求められます。その際に重要なこととして、⼗分な知 識をもって事案を分析し、論理的かつ簡潔に相⼿の疑問に答えることが重要なことは⾔ うまでもありません。ただし、それだけでは不⼗分で、相⼿に、この⼈の話は信頼でき ると思わせるだけの雰囲気（空気感のようなものでしょうか。）をもっていることが重要 になります。 受講前の私には、この雰囲気が圧倒的に⾜りませんでしたし、どうすればこれを⾝に つけることができるのかもわかっておりませんでした。 今にして思えば、当時の私は声がか細く、聞き⼿からすれば頼りなさそうに聞こえ る、おどおどとした話し⽅をしていたのだと思います。当時、裁判中、⾃信のなさから 声が⼩さくなり、声が通らず質問を聞き返される、なんてこともございました。⾮常に 情けない思いでした。

先⽣の講座を受講したのは、今から２年ほど前、そのような⾃分に悩んでいた頃で す。先⽣は、私がなぜ便りなさそうに⾒えるのか、その原因を声という観点から分析し てくださいました。その分析内容は、私にとって⾮常にわかりやすいもので、私の声の 特徴、⽬指すべき形、そのための練習法を端的にご教⽰くださいました。 私が受講を決めたのは、このように冷静かつ分析的にご指導していただける⽅のもと で努⼒してみたい、と思ったからです。

受講時間の初めに、私が練習した成果をお⾒せします。その上で、先⽣から新たな課 題をご指摘いただいた上で、克服するためのトレーニングを重ねるというものでした。 先⽣のご指導の特徴は、受講⽣それぞれの地声を⽣かすということです。⼈それぞれ が持って⽣まれた声に磨きをかけるというスタイルは、⽣徒が無理なく努⼒を続けられ る上に、それぞれの良さがより引き出されることに繋がり、私は⾮常に魅⼒を感じてお ります。

まず、⾃分⾃⾝の声のままでも、磨きをかければ、説得⼒のある⼈間になれるのだと 気づくことができました。適切に努⼒を重ねれば、そういう⼈間になれるのだと知れた ことで、⾃分に⾃信がついたように思います。 実例をいくつか挙げます。 まず、聞き返されことがなくなりました。 次に、依頼者様から、声が良いとお褒めの⾔葉をいただいたこともありました。すー っと⼊ってきた、とのことでした。このような⾔葉をいただくことは初めてで、私にと って⼤変嬉しい出来事でした。